ふわふわのうちに味わう、夏限定・専門店のかき氷。

氷処 さゆり

TEXT/KAGEHIRO WATANABE, PHOTO/NAOKO NITTA

すすきのからほど近い場所にあるゲストハウス「SOCIAL HOSTEL 365」。外国からのバックパッカーが多く集まるこの建物の一階は、夏の間だけ、しかも昼の間だけ、和の甘味処になります。「氷処 さゆり」は、かき氷の専門店。開店は昨年、2015年の夏ですが、すでに評判になっていて、今ではのれんを出す前からお客さんが店先に集まるほど。家族連れやご年配の夫婦、学校の仲間同士など、訪れるお客さんの層は幅広く、このお店はもはやこの地域の夏の風物詩といっても過言ではありません。

店主のさゆりさんがこのお店を始めたきっかけは、東京の名店で食べた一杯のかき氷。このとき、かき氷の美味しさを知ったさゆりさんは後に、お店を開く予定さえないのに業務用の氷削機を購入。結局、知人からの勧誘もあって、今の場所でかき氷専門店を夏限定で開くことになったそうです。作っているのは、自分の好みのさらっとしたかき氷。氷は、偶然はす向かいにあった「氷やの橋さん」の純氷。48時間かけて凍らせた、不純物がなくて透明な氷です。さゆりさんは、この氷を適度な温度にしておいて、丁寧に薄く削ることで、ふわふわのかき氷を作っています。

シロップも練乳もすべて手作りで、毎日、開店前にその日の分を用意しています。練乳はサラッと仕上げるため、生クリームは無し。シロップは保存料も着色料も一切使わず、いちごやプラム・桃など、そのときどきの美味しさをいかして作っています。一番人気はいちごミルク。非加熱のいちごを浸けて、生の果肉を入れて仕上げる贅沢なシロップです。フルーツ以外のシロップも根強い人気があって、宇治抹茶やエスプレッソ、黒ゴマは、毎回同じものを注文する人が多いのだとか。かき氷が好きな人もそうじゃない人も、札幌のかき氷ブームの火付け役になりそうなこのお店へ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。