冬をしめくくる雪の祭典。

第67回 さっぽろ雪まつり

TEXT/KAGEHIRO WATANABE, PHOTO/HIROFUMI TATSUKI

札幌の冬をしめくくる雪まつり。街の中心部が会場となり、開催中には、地元市民にとっては日常の風景の一部となる特別なイベントです。開催前の、雪像制作や会場設営の風景さえもが、札幌の風物詩になっています。公式発表によれば今年の来場者は260万人。世界的に珍しい、“雪で覆われる100万都市”の魅力を、道外、そして外国からの観光客の方々も体感できたことでしょう。

会場は3か所。メインは、札幌市の中心部を東西に貫く大通会場です。1〜12丁目までの約1.5kmの間には、高さ17mもの巨大なものから、市民がつくった小さなものまで無数の雪氷像が並び、近年は雪像に映像を重ねてダイナミックな動きを表現するプロジェクションマッピングもすっかり定着しました。その他、ジャンプ台やスケートリンク、すべり台や迷路まで、バラエティーゆたか。北海道の食や国際食豊かな料理を味わいながらゆっくりと眺めたり、すべり台で遊んだりと、文字通り老若男女で賑わいました。

大通会場が雪なら、すすきの会場は氷。すすきのアイスワールド2016と題して、いつもはタクシーで混雑している南4条〜南7条の駅前通に、60基の氷像が並びます。日本を代表する歓楽街らしく、アイスバーも開設。ホットウイスキーの味わい深さは、真冬の札幌だからこそです。
札幌の中心部から少し離れた“つどーむ”会場は、雪の遊び場。大きなすべり台が並び、チューブスライダーなどが楽しめるほか、雪上パークゴルフや竹スキー、ラフティングボートをスノーモービルで引っ張るスノーラフトなど、たくさんのスノーアクティビティが用意されていて、家族で楽しめます。
自分なりの楽しみ方ができる雪まつり。どの会場を訪れても、そこには冬の魅力、そして札幌の魅力がつまっていました。