本格イタリアンの穴場。

炭焼Griglia & Bar CASBA

TEXT/YUSUKE TOKOSHIMA, PHOTO/NAOKO TAKAHASHI

「こんなところにこんなお店が」なんてちょっと失礼ですが、地下鉄東西線「南郷13丁目」から徒歩1分、住宅街と商店街の狭間にある雑居ビルの1階、炭焼Griglia & Bar CASBAは、本格的なイタリアンが楽しめる隠家的トラットリア。オーナーシェフの伊賀さんが、自身なにかと縁の深いという白石区に同店を開業しました。丸石を積み重ねた印象的な門を抜け、扉を開けると、大きなガラスで仕切られたオープンキッチン。一枚板の重厚なカウンター、ラグジュアリーなインテリアが日常では味わえない空間を演出しています。

料理ももちろん本格派。自慢のピッツァやパスタ、ニョッキなども粉を練り上げるところから手がけています。タリアテッレ 豚肉と豆の煮込みソースは、きしめんのような平麺に、豚肉と色とりどりの豆をとろけるまで煮込んだソースでいただく郷土料理。パスタにソースが程よくからみ、素材の味をそのまま楽しめます。子羊の香草グリルは、上質な子羊の肩ロースを炭火でさっと焼き、岩塩と3種のハーブでシンプルに仕上げる。ラム独特の臭みもなく、上品な味わい。店主いわく、次にくるスイーツがこれ。リコッタチーズを使ったイタリア伝統のドルチェ。クリームチーズとドライフルーツのカッサータは、アイスクリームとチーズケーキの中間のような不思議なデザート。

お酒も、国籍や種類を問わず豊富でリーズナブル。フェラーリのスパークリングはグラスもボトルも破格のお値段。「おいしいと思うものしか出しませんよ。」伊賀さん自らテイスティングしてから選んでいる。高級感あふれる店内、リーズナブルで本格的な料理とお酒。「ちょっとリッチな気分になってほしい」という、伊賀さんの思いがいたるところに施されています。